こんにちは、院長の井上啓太です。
今回は、当院で使用している脂肪由来幹細胞のTOPs細胞®︎の詳しい説明をさせていただきます。
TOPs細胞®︎は、東京大学と共同開発していまして、名称は「Tokyo Orthopaedics and Plastic oriented stem cell」から由来しています。
脂肪由来幹細胞を使うためには、再生医療等安全確保法という法律があります。他人の脂肪由来幹細胞を使うことは非常に高いハードルがあり、基本的には自分の脂肪を採って幹細胞を培養するというのが、現在ではスタンダードになっています。
幹細胞は、一つ一つ手作業で培養をしていかなければいけません。脂肪を新鮮な状態で採取して、培養士が手作業で培養して、丁寧に管理をして患者さんにお届けいたします。
そのため一人一人に合わせたオーダーメイドの幹細胞にこだわって育てています。そのこだわりを最良の方法に最適化したものがTOPs細胞®︎です。
詳しくは、こちらの「再生医療に関連する法律について」の記事をご覧ください。
ご自身の脂肪を採取して、その脂肪を培養して幹細胞を増やしていきますが、従来の方法は、脂肪吸引を使ったり、丸い刃のついたパンチという器具で脂肪を採ったりしていました。
しかし、この方法だと脂肪を採ってきた箇所が腫れてしまったり、二度と脂肪が取れないといったデメリットがありました。また、脂肪採取した傷を縫わなければいけないといった負担もありました。
そこでTOPs細胞®︎は、TOPs針という特殊な採取針を使っています。このTOPs針を使う事によって、脂肪を採る量も少なくなり、傷跡がほぼ残らず、時間も短縮して患者さんの負担を減らす事ができます。
従来の方法だと、採ってきた脂肪を酵素をかけて分解して脂肪幹細胞を作るという方法でした。
しかし、酵素をかけてしまうと細胞が傷んでしまいました。そこでTOPs細胞®︎では、特殊なシートを使います。この特殊なシートの上に幹細胞を乗せると、酵素を使用せず、少ない脂肪で大量の幹細胞を培養する事ができます。
また、幹細胞を育てるために培地(ばいち)という培養液が必要になります。培地は土の様な役割があり、幹細胞に栄養を与えるための土台となります。その培地も独自で開発した「TOPs培地」という培地を使っています。
脂肪を採取した後に、衛生管理を徹底したCPC(細胞培養加工室)に輸送します。この輸送では、温度や衝撃に注意しないと幹細胞が傷んでしまいます。
そのため、この輸送にもTOPs細胞®︎になるための最適化された方法を取り入れています。
当院のCPCの詳しい説明については、こちらをご覧ください。
幹細胞の培養では、どれか一つの工程がかけても、幹細胞の品質が変わってきます。工程を最適化して、幹細胞の品質を向上した幹細胞がTOPs細胞®︎というわけです。
当院は、このTOPs細胞®を使用して肌の再生医療を行なっています。ぜひ、肌にお悩みのある方は当院までお気軽にご相談下さい。
今回の内容は動画もご覧いただけます。
<記事更新:2024年3月30日>