
症状から判断する病期分類、リンパ管造影を用いたリンパ管の流れの評価に基づき、最適な手術を選びます。複数の手術方法が候補としてあげられる場合は、まず最も体に負担の少ないものから選んで行います。
最も体の負担が少ないものは、局所麻酔で可能なリンパ管細静脈吻合であり、次にリンパ節移植または脂肪吸引です。リンパ管細静脈吻合は、リンパ管と静脈を吻合して、うっ滞したリンパ液を静脈に返す手術です。
早期のリンパ浮腫では手術療法の第一選択となります。症状が進んで、皮膚が固くなってしまった場合は、リンパ管細静脈吻合の効果は薄く、リンパ節移植や脂肪吸引が必要となります。
リンパ管細静脈吻合 | リンパ節移植 | 脂肪吸引 | |
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麻酔方法 | 局所麻酔 | 全身麻酔 | 局所麻酔または全身麻酔 (吸引範囲による) |
手術時間 | 2〜3時間 | 2〜3時間 | 2〜3時間 (吸引範囲による) |
きず | 小切開 | 小切開 | 小切開 |
術後のケア | 普段通りのバンデージ | リンパ節採取部の圧迫 | 下肢全体の圧迫 |
からだの負担 | 極小 | 小 | 小~中 (吸引範囲による) |
いずれの手術でも、症状の改善がみられます。
いずれの手術療法でも、原則として弾性包帯(バンデージ)または弾性着衣による治療の継続は必要ですが、早期例に関してはそれらが不要になるケースもあります。また、リンパ浮腫が柔らかくなる、蜂窩織炎の頻度が減少する、周径が細くなる、などの効果は共通してみられます。ご予約
受診1回目
連携医療機関
受診2回目
手術
術前にICGリンパ管造影・超音波検査を行います。
局所麻酔で手術を行います。(2~3時間)
手術後は歩行して帰宅できます。
安静は特に必要ありません。
手術翌日
きずの状態を診察します。
手術後1~2週間
きずの状態を診察します。
手術後1~6ヶ月
リンパ浮腫の状態を診察します。
必要時、追加でリンパ管静脈吻合術を行います。
2016年度からのリンパ管静脈吻合術の実施件数を集計しました。