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再生医療

2023/08/31
幹細胞治療に関するよくあるご質問

こんにちは、アヴェニューセルクリニック院長の井上啓太(いのうえけいた)です。

今回は、再生医療を受診される患者様からよくいただく質問について回答します。

このブログを最後まで読んでいただくと、幹細胞治療に対する理解が深まっていくと思います。

 

Q.細胞治療が受けられないことはありますか?

こちらは、よく頂く質問になります。

再生医療を行うにあたって、適応基準除外基準という基準があります。

 

【適応基準】

適応基準というのは、どういう病気だったら(治療が)できるか?という基準になります。

例えば、脳梗塞後遺症・変形性関節症・肌の老化(シミ・シワ・たるみ・毛穴など)の場合には幹細胞の治療が受けられます。

適応基準を満たしていない場合には、再生医療を受ける事ができません。

 

【除外基準】

その一方で除外基準というのがあります。

除外基準に当てはまると、こちらも再生医療が受けられなくなります。

 

除外基準でよくあるのが、高度な貧血です。

幹細胞を育てる際に血液が必要になりますが、その血液を十分に取ることができなくなる可能性があります。

もう一つは癌です。

悪性腫瘍があるという方は、再生医療を受けることができません。

除外基準としては高度な貧血と悪性腫瘍の2つが主にあります。

 

適応基準除外基準.png

Q.年齢によって効果に差はありますか?

当院では、90歳以上の方の幹細胞を育てる技術がありますので年齢による除外基準はありません。

ただ、厚生労働省に届け出ている治療計画上、未成年の方はお受けすることはできません。

再生医療の法律についての詳しい内容は、こちらのブログをご覧ください。

再生医療に関連する法律について

 

年齢による効果の差については、採れる幹細胞の質は変わらないので年齢による効果の差はないと思っていただいて結構です。

 

年齢による効果の差はない.png

Q.どのくらい効果が持続しますか? 二回目投与はいつ必要ですか?また通院頻度はどのくらいですか?

効果の持続期間というのは、どの病気に対して使用するか? によってだいぶ違います。

例えば脳梗塞の方は、幹細胞の点滴をして指が動かしやすくなるなどの神経症状の改善が見られます。

そして、一回改善したものはほぼ永久的に持続するという方が多いように思います。

再生医療で治療する事が多い膝関節に関しても、一回痛みが取れてしっかりとリハビリを行うことで、持続するということが言えると思います。

 

一方で顔に関しては、個人差があります。

例えば、顔面の皮膚に対して投与した場合に、個人差がありますが半年から一年ぐらい効果が持続する方が多いです。

 

質問内容の「二回目はいつ打てば良いですか?」に関しては、一回打てばずっと効果が続くようなものには二回目はないですし、顔の皮膚のように数ヶ月毎に幹細胞治療を受けた方がいいというケースもあります。

詳しいことに関しては、その状態あるいは適応によって変わりますので、担当の医師にご相談下さい。

 

Q.美容施術(ヒアルロン酸注射、糸リフト等)と同時におこなうと相乗効果などはありますか?

これは、同時に行う事で相乗効果が期待できます。

例えば、美容施術のダウンタイムで色素沈着を生じたり、腫れ・内出血を起こしたりするようなものがありますが、この様に炎症を伴うような処置に関しては幹細胞の点滴などを同時に行うと、幹細胞の炎症を抑える作用でダウンタイムを短くする効果があります。

 

美容処置で一時的に顔の皮膚に損傷を与えるのですが、同時に幹細胞の点滴を行うと幹細胞が損傷があるところに集中してくれる作用のおかげで相乗効果を発揮するというメカニズムがあります。

美容は相乗効果.png

Q.幹細胞の投与(治療)にかかる時間はどのくらいですか?

治療の内容によってかかる時間が全然違います。

例えば顔に注射をする場合は、まず顔に麻酔クリームを塗ってから30分間おきます。

その後に10分ぐらいかけて顔に幹細胞を注射していくため、1時間弱ぐらいは時間がかかります。

膝関節への注射ですと、関節内部への注射なので5分〜10分あれば済んでしまいます。

一方で幹細胞の点滴ですと、点滴は急速に入れることができないので、約1時間以上ゆっくりと時間をかけて点滴する必要があります。

 

治療時間.png

Q.幹細胞投与後、気を付けることはありますか?

例えば顔に注射をする場合は、暖まり過ぎたり・長湯をしたり・お酒飲んだりすると注射を打ったところが赤くなったり、稀に内出血をしたりすることがありますので、その様な行為はやめた方がいいです。

やってはいけないこと.png

Q.幹細胞治療のリスク・副作用はありますか?

幹細胞治療に限らず、どの治療であっても医療行為である以上、リスクや副作用があります。

幹細胞のお肌への注射に関しては、注射を打ったところの内出血が稀に見られるぐらいのリスクです。

腫れたり、赤くなったりするダウンタイムは、非常に短い治療になると思います。

 

肌の副作用.pngまた、膝関節などの関節内の注射は、副作用としては痛みがあります。

注射を打った後は一時的に少し腫れたりするので、腫れた様な痛みが出る時があります。

副作用ではないかもしれませんが、注射を打った後の関節に関してはよく動かす必要がありますのでリハビリが必要になってきます。

膝の副作用.png

幹細胞の点滴に関してのリスク・副作用としては、たくさんの細胞を急速に血管内に点滴すると血液が固まってしまうというリスクがあります。

そのため点滴に関しては、1時間以上の時間をかけて少しずつ点滴していきます。

 

以上、患者様からよくいただくご質問と回答でした。

他にも幹細胞治療についてご質問がありましたら、お気軽に当院までご連絡下さい。

 

こちらの内容は動画でもご覧いただけます。

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