こんにちは、アヴェニューセルクリニック院長の井上啓太(いのうえけいた)です。
前回、お茶の水セルクリニックの寺尾先生と対談をさせていただいた際に、フレイルに関する話題が出ました。
寺尾先生との対談のブログはこちらをご覧ください。
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・寺尾先生と幹細胞の点滴について対談・前半~脊髄損傷と腰痛や座骨神経痛などの慢性疼痛への幹細胞治療について
・寺尾先生と幹細胞の点滴について対談・後半~身体的フレイルに対する幹細胞治療とプレフレイルについて
そこで今回は、フレイルについてもう少し詳しく解説させていただきます。
フレイルは簡単に言うとヨボヨボと申し上げました。フレイルというのは、比較的新しい概念だと思います。
フレイルとは別に老化というのは、微細な炎症が体のいろいろなところで起きている状態です。
老化に対する治療法で有効なのは間葉系幹細胞で、炎症を抑える作用が強いです。
微細な炎症を抑えてくれるので、老化の進行を遅らせるという臨床試験が行われています。
その臨床試験について、ご紹介していきます。
臨床試験の結果についてはインターネット上で公開されています。
一番よく見るのはPubMedというサイトです。
PubMedに「フレイルの間葉系幹細胞の臨床試験結果」という形で検索をかけると一つだけ臨床試験の結果がヒットします。
この臨床試験は、マイアミ大学のグループが2017年に発表した臨床試験です。
当院で扱っているTOPs細胞®︎は脂肪由来の間葉系幹細胞ですが、マイアミ大学のグループは骨髄由来の幹細胞を使っています。
どちらも似たような作用がありますが、TOPs細胞®と違うということをご理解してもらった上でお話をしていきます。
マイアミ大学では第II相ランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験を行いました。
こちらの試験は無作為に“幹細胞を実際に打つ人”と“幹細胞ではないものを打つ人”に分けます。
どの人が幹細胞を打って、どの人が偽薬を打ったかを患者も医師もわからないようにするというのがランダム化二重盲検というものです。
試験する医者も受ける患者もわからないので、本人の解釈や結果というプラセボ(偽薬)効果が出にくいです。
具体的な試験内容としては、患者の数は30人で平均年齢が75歳の方々で試験を行います。
他人の骨髄から採った間葉系幹細胞を、1億個と2億個を入れるグループと何も入れないという3グループに分けて10人ずつに分けて点滴をしました。
その後、点滴してから6ヶ月にわたって以下の状態を観察していきました。
・6分間歩行試験
・短時間の身体能力検査
・1秒間の強制呼気量
・QOL調査
・血清TNFーα値の調査
など
結果としては1億個、2億個の点滴をした群で明らかに運動能力や呼吸機能が改善したり、体の中の炎症状態が良くなりました。
プラセボ効果がないので、これは臨床試験としてはかなり信頼性が高いです。
この結果からわかる事は、他の患者が同じような治療を受けた場合に同じ結果が期待できるという事です。
当院で扱っているTOPs細胞®は、脂肪由来の間葉系幹細胞ですが臨床試験の報告は骨髄由来幹細胞ですので、臨床試験の結果が少し異なる可能性はありますが、間葉系幹細胞というのは骨髄由来でも脂肪由来でも比較的同じような結果が出るということが色々な疾患の領域で確認されています。
フレイルでも同じような結果が導かれるということが期待されます。
今回は、間葉系幹細胞のフレイルに対する臨床試験の結果についてご紹介させていただきました。
当院ではTOPs細胞® を用いてフレイルに対する治療を行っています。
もし、ご自身の老化状態あるいはフレイルに当てはまるのではないか?と気になるようでしたらぜひ一度ご相談下さい。
こちらの内容は動画でもご覧いただけます。