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再生医療

2023/02/22
【Dr.もといの再生医療最前線!】18.PMDA再生医療等製品

「康子、薬を贈る。拝してこれを受く。曰く、丘未だ達せず。敢えて嘗めずと。」 論語 郷党

 

医薬品というと、みなさんどんなものが思い浮かびますか?

痛み止めで有名なロキソニンは、思い浮かべやすいものの一つかもしれません。日本には承認されたものが約16,000品目あるとされています。

 

承認と書きましたが、これは安全で使用しても大丈夫とお墨付きをくれる認定する組織があります。PMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)とよばれる独立行政法人で、平成16年4月1日に設立されました。

 

この組織、さまざまな認可を行うのですが、その一つに再生医療にかかわる再生医療等製品も認可しています。

 

では再生医療等製品といわれて、具体的な名前が挙がる人はいますでしょうか。実は医師でも結構少ないかもしれません。それもそのはず。2022年3月末時点で承認されたものが16品目しかありません。実に医薬品全般の1,000分の1で、レア品目です。慎重な審査を経て認可されるのですが、少しずつ増えてきています。

 

結局そのレアな薬って何なん?といわれるかもしれません。定義としては、「1.細胞に培養などの加工を施したものであって、身体の構造・機能の再建・修復・形成するもの、疾病の治療や予防を目的として使用するもの。

2.遺伝子治療を目的として、人の細胞に導入して使用するもの。」

のうち、法令で定められたもの。

とされています。

 

あえてものすごくざっくり言ってしまうと、「細胞や遺伝子などの新しい技術をもとに作られた薬」となります。

 

例えば、われわれ形成外科医にとってなじみ深いものに人工培養表皮があります。ジェイスという製品で、命に係わるような全身のやけどや生まれ持って体中が黒くべたーっと広いほくろ となっている人に対して、用いられます。

 

従来の治療では、命に係わるほどのひどい全身やけどに対しては、手術で皮膚を他から持ってきて植えてあげる 植皮術というものが必要になるのですが、人の皮はくっつかず、本人のものでないといけません。ただ場合によってとってくるところもないくらい丸焦げ状態の超重症な方もいるわけで、小さな皮膚を培養して広い範囲を覆えるようにしたものがこの製品です。

 

自分も10年以上前に使用したことがありますが、妙に感動した記憶があります。

 

以前やけどに対する遺伝子治療に関して説明した会もありましたが、あれは研究レベルでのお話。こちらの再生医療等製品は、目の前の患者さんに使用できるレベルのお話。間に製品化、治験、承認と長い時間が必要です。

 

近年はとても重要なものに関しては承認されるまでの期間を短くしましょうという動きも出てきました。COVID関連で少し話題になった特例承認や先駆け審査指定品目などです。世界に先駆けた革新的医薬品・医療機器・再生医療等の製品を日本で早期に実現するべく、審査にかかる時間が大体8か月から5か月程度まで短縮しています。

 

冒頭に紹介した論語では、孔子が贈られた薬についてよく知らないので、まだ飲まないと慎重な姿勢であったことが記されています。そりゃ誰だってよく分かったうえで安全な薬を使いたいですよね。

 

日本において最先端の医療が 安全、かつ速やかに広まるように、今後も頑張ってほしいと願う次第です。

 

ではまた!

 

(加藤基)

 

参考資料

 

PMDA

PMDAについて | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

 

PMDA 再生医療等製品

再生医療等製品 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (pmda.go.jp)

 

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