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再生医療

2022/12/02
肌再生治療なぜいま脂肪幹細胞なのか

こんにちは。院長の井上啓太(いのうえけいた)です。

今回のブログでは、幹細胞について解説したいと思います。

幹細胞という言葉を一度は聞いた事があると思いますが、

簡単にいうと細胞の親玉、細胞の元といった存在です。

幹細胞は大きく分けると多能性幹細胞(たのうせいかんさいぼう)

体性幹細胞(たいせいかんさいぼう)の2つに分類することができます。

多能性幹細胞と体性幹細胞の比較.png

 

多能性幹細胞とは

ニュースなどで耳にするES細胞iPS細胞は多能性幹細胞に分類されます。

ES細胞は、胚(受精卵)から培養してつくられた、受精卵の一部の細胞です。

iPS細胞は、ES細胞をモデルにして人工的に作製したものです。

例えば元々皮膚の細胞だったものから血液や神経を作る事が可能になります。

多能性幹細胞は卵から作られるので、体のどの部分の細胞にもなれるという特徴があります。

どの細胞にもなれるという事で有用性が高そうに思われますが、そこまで普及はしていません。

実際、どの細胞にもなれるためコントロールが難しいという事で実用化が困難ですが、

現在、iPS細胞は日本を中心に研究が進んでいます。

 

体性幹細胞とは

一方で体性幹細胞は、私達の成人の体の中にある幹細胞です。

この体性幹細胞は多能性幹細胞と違って、どの細胞になるか役割が決まっています。

例えば、皮膚の体性幹細胞であれば皮膚にしかなりません。

血液にも体性幹細胞がありますが、こちらも血液にしかなりません。

私達の体が傷ついたりした時に、組織を回復させるのが体性幹細胞の役割です。

体性幹細胞が分裂したり、分化したりすることで、その組織を補充するようになっています。

体性幹細胞の分裂.png

 

間葉系幹細胞とは

体性幹細胞の中で間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)という特殊な幹細胞があります。

間葉とは、体の表面、肌や口の中の粘膜、腸の表面の間を埋めている組織です。

この間葉系幹細胞は軟骨脂肪・リンパ系血管系の間葉と呼ばれているところにある幹細胞です。

体性幹細胞の例(脊椎).png

 

間葉系幹細胞が特殊なところは、多能性幹細胞に似ていて色々な細胞に条件次第で変化する事ができます。

間葉系幹細胞は、少し多能性幹細胞に近い性質がある体性幹細胞と言われています。

また、間葉系幹細胞は、骨髄から採る骨髄由来の間葉系幹細胞と、脂肪から採る脂肪由来の間葉系幹細胞が用いられています。

脂肪由来の間葉系幹細胞は、別名で脂肪幹細胞脂肪由来幹細胞と呼ばれます。

また英語表記ではASC(Adipose Stem Cell)ADSC(Adipose tissue-Derived Stem Cell)などとも呼びます。

当院の再生医療のほとんどが、東京大学整形外科と共同研究を行ったTOPs細胞(脂肪由来幹細胞)を使用しています。

 

TOPs細胞.png

 

今回のまとめ

幹細胞には大きく分けて、多能性幹細胞と体性幹細胞の2種類あります。
さらに体性幹細胞の中に間葉系幹細胞という幹細胞があり、

脂肪由来の間葉系幹細胞は私たちのより身近にある再生医療になっています。
当院では、TOPs細胞(脂肪由来間葉系幹細胞)を肌に注射する肌の再生医療を行っています。
カウンセリングも行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

こちらの内容は動画でもご覧いただけます。

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