「徳は孤ならず、必ず隣あり。」 論語 里仁
体には五臓六腑、様々な臓器があり、それらがお互いに助け合って生きています。まさに隣にあるその臓器たちが連携しあっているのですが、一つ一つの臓器の働きだけでなく、お互いのやりとりに注目が集まっています。
本日は世界的にも1番有名くらいである雑誌nature、、の姉妹誌で勢い爆上げ状態のnature biomedical engineeringの今月号 表紙を飾った論文の紹介です。
ミニ生物をシャーレ上に作って、臓器の間で何が起こっているのかを観察・評価できるモデルを作ってしまったと言う話です。臓器を細胞だけでバラバラにしたのち、特別な条件で育てる(培養)と、3次元に形を作っていきます。3次元培養、1980年代後半から研究は進められていましたが、ある時革命がおきました。
何にでもなれてしまう幹細胞(多分化能を持つ細胞)がその大元の細胞として加えられるようになってから、それぞれの臓器をミニチュアで作ってしまい、どのお薬が効果ありそうかなとか、どんな働きをしているのかなとか、実験室で調べることができるようになりました。2010年前半、オルガノイドの誕生です。
その後およそ体のほとんどの臓器のオルガノイドが研究され、ついにはそれぞれの臓器の間でのやりとりまでシャーレ上で検討できる時代がやってきている、実に驚きました。
研究って1箇所の研究チームだけが突出してすごいこともありますが、似たようなテーマで連動していることも多々あります。他にも臓器のそれぞれの連絡網を調べようと言う研究は進んでいて、mRNA(メッセンジャーRNA)やエクソソームなど、追って伝えて行けたら良いなと思います。
ではまた!
(加藤基)
参考資料