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再生医療

2025/04/12
【椎間板ヘルニアと再生医療Vol.2】腰椎椎間板ヘルニアになったら必ず手術は必要? 治療法について医師が解説
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椎間板ヘルニアのなかでポピュラーなのが腰椎椎間板ヘルニアです。30代から50代に多く見られ、重いものを持ち上げたり、デスクワークが続き同じ姿勢で腰に負担がかかったりすることが原因と言われています。
ヘルニアと聞くと手術をしないといけないのでは?と思われている方も多いようですが、症状のレベルによって治療法は異なります。代表的な治療法について松﨑医師にうかがいました。
 

本記事の要約

​アヴェニューセルクリニックの2025年4月12日付ブログ記事では、腰椎椎間板ヘルニアの症状と治療法について解説されています。​症状は軽度から重度まであり、軽度では腰の重さや立ち上がり時の痛み、中程度では下肢のしびれや歩行困難、重度では排泄障害や広範囲のしびれが生じます。​治療法は症状の程度により異なり、軽度から中程度では薬物療法や理学療法などの保存療法が中心です。​重度の場合は手術が検討されますが、近年では幹細胞を用いた再生医療も選択肢となっており、体への負担が少なく、治療期間も短いという利点があります。

腰椎椎間板ヘルニアの症状

厚生労働省が行っている国民生活基礎調査(令和4年)によると、日本人の自覚症状は男女ともに「腰痛」がトップという結果に。国民病とも呼ばれているほど、腰痛に悩まされている人が多いのです。
その腰痛の原因のひとつが「腰椎椎間板ヘルニア」です。腰やお尻の痛みだけでなく、下肢のしびれが起こります。ぎっくり腰のような激しい痛みが急激に襲ってくることも。
症状の重さや期間は個人差がありますが、日常生活に支障をきたすこともあります。
 
整形外科では、問診と触診に加え、レントゲンやMRIなどの画像診断を行って総合的に症状のレベルを判断します。「これくらいの痛みなら大丈夫だろう」と自己判断せずに、痛みやしびれがある場合は、受診しましょう。
 

軽度レベル

神経を圧迫するほどではないが、椎間板がわずかに飛び出している段階。日常生活にほとんど支障がなく、一時的に軽い痛みを感じる程度です。
腰がなんとなく重く感じる、長時間座っていた姿勢から立ち上がると腰が痛いといった症状で、痛みがずっと続くことはほとんどありません。
 

中程度レベル

椎間板の突出が進み神経が圧迫されはじめます。腰痛に加えて下肢へのしびれを感じるように。痛みが強くなるので、長時間立っていることや歩行が苦痛になります。
安静にしていても痛みやしびれがあるため、睡眠不足に陥る人も。
 

重度レベル

さらに椎間板の突出が進んで、神経を強く圧迫するため、激しい腰の痛みと足だけでなく広範囲でのしびれを感じるようになります。歩行困難、排泄障害が起こることも。日常生活がままならなくなります。
 

腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルと治療法

症状レベルによって治療法が異なります。軽度から中度の場合は、保存療法で痛みを緩和して日常生活を送れるようにします。
 

軽度から中程度は保存療法

日常生活に支障をきたさない軽度から中程度レベルの場合は、まず痛みを緩和する薬物療法や理学療法を組み合わせて保存療法を行います。
 
薬物療法は炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬や筋弛緩薬、神経ブロック注射を使用して痛みを和らげます。
投薬は一時的に症状を緩和するものなので、椎間板の突出そのものを取り除くことはできません。
 
腰への負担の軽減のため、理学療法士の指導のもとストレッチや筋力トレーニングを行って姿勢改善を行います。また、温熱療法、低周波治療で血行を促すことも効果が期待できます。
特に軽度のうちに運動をして筋力を高め、腰への負担を軽減することは大切です。自己流の運動ではなく、専門家の指導を受けて行うことが大切です。
 

激しい痛みやしびれがある重度は手術を検討

保存療法で症状が改善されず、強い痛みが続いて歩行や排泄に影響がある場合は、手術で突出した椎間板を切除します。
全身麻酔をして背中側からアプローチして骨の一部を削りとる方法、内視鏡を使いヘルニア部分を摘出する方法など選択肢があります。
手術方法によって麻酔方法、皮膚を切開する幅、入院期間などが異なります。
それぞれメリット、デメリットがありますので医師と相談をして最適な方法を選びましょう。
 

再生医療も選択肢の一つ

保存療法で十分な治療効果が得られなかった場合、手術だけでなく今は再生医療も選択肢の一つになりました。幹細胞を使用してダメージを受けた椎間板の修復や再生を促す方法です。
手術は体への負担が大きく、社会復帰までも日数がかかります。椎間板ヘルニアになりやすい30代から50代の現役世代にとって手術を選択するのはリスクが高いもの。再生医療は手術より体への負担が少なく、治療期間も短いというメリットがあり、現役世代にとってはうれしい選択肢の一つになるでしょう。
 
次回は腰椎椎間板ヘルニアの手術方法と術後のリハビリについて解説します。
 
 

FAQ

Q1:腰椎椎間板ヘルニアは必ず手術が必要ですか?

A1:症状が軽度から中程度であれば、薬物療法や理学療法などの保存療法で改善が期待できます。重度の場合や保存療法で効果が見られない場合に手術が検討されます。
 

Q2:再生医療とはどのような治療法ですか?

A2:幹細胞を使用して損傷した椎間板の修復や再生を促す治療法です。手術に比べて体への負担が少なく、治療期間も短いという特徴があります。
 

Q3:どのような症状が現れたら受診すべきですか?

A3:腰やお尻の痛み、下肢のしびれ、歩行困難、排泄障害などが現れた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
 

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