以前、オリンピアンと医師の二刀流を達成した人は日本人で5人いました、という話をしました。調査を進めていると、パラリンピックの現役選手 兼 現役医師という途方もないことをやってのけている方を見つけました。スペインのスサーナ・ロドリゲス選手です。視覚障害を抱えながら、トライアスロン女子の世界ランキング1位です。まさに鉄人!ちなみに視覚障害でありながら医師の資格を取得したのは、スペイン初だそうです。世界広しといえど、視覚障害を持ちつつ現役医師&選手として活動されていることに脱帽です。
パラリンピックの起源は、オリンピックの開始1896年から遅れること約50年の1948年。戦争で負傷した兵士のリハビリの一環としてイギリスの病院で行われた、アーチェリー大会と言われています。その後1960年に第一回パラリンピックが開催されています。4年後の1964年はみなさまご存知、前回の東京オリンピック・パラリンピックです。パラリンピック開催の立役者であったルートヴィヒ・グッドマン医師の元へ留学しいていた、中村裕先生が選手団長として開催の成功を収めます。
整形外科を専門にしていた中村先生にとって、リハビリテーション部門で先行していた留学先での経験は、大きく後の人生に影響を与えたのだと思います。その後、1965年に社会福祉法人 太陽の家を勤務先の近くで別府市に創設し、「保護より機会を」のスローガンのもと、障害者の職業的自立を目指しました。
後日談でグッドマン医師の言葉を借りて、中村先生が残した名言があります。
「失われたものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ。」
障害者やパラリンピックだけのことではなくて、人生訓としても広く応用できる、味わい深い言葉だと思います。
みなさまにとって残されたもの、生かせるものは何でしょうか。失ったマイナスではなく、残っているプラス要素に目を向けることで、ちょっとだけポジティブになれる気がしています。
ではまた!
(加藤基)
参考資料
スサーナ・ロドリゲス選手 NHK取材
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210614/k10013061641000.html
Wikipedia
パラリンピック
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF
失われたものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ