少し前ですが、土曜日のリンパ浮腫外来手術を担当している辛川医師のオンライン講演がありました。
リンパ浮腫をはじめとした形成外科領域の医工連携の取り組みに関する講演でした。医工連携とは、医療関係者や工学系研究者、民間企業などが連携して、医療現場で出てくる課題を、工学やテクノロジーを用いて解決していくという取り組みになります。こういった取り組みで生まれる医療機器というものは、国の規制も厳しく、研究開発し社会実装され患者さんに届くまで非常に様々なハードルがあります。
当院で行われているリンパ管静脈吻合術(LVA)1つをとっても、用いられる機器が非常にたくさんあります。顕微鏡、ICGリンパ管造影用カメラ、高周波エコー、持針器(小さい針糸を持つための器械)、12-0針糸などがあり、どれも様々なハードルを乗り越えた科学技術の結晶です。我々は先人の成果に感謝しながら、日々リンパ管と静脈を丁寧に吻合しています。
また、当院のリンパ浮腫担当医師は、リンパ管再生、エコーやICG、リンパ浮腫治療システム、リンパ関連疾患の疫学研究など、リンパに纏わる研究も積極的に行っています。
リンパ浮腫から人類が解放される日が早く来ることを願っています。