久しぶりのブログ更新です。
今回は形成外科一般で使用される、マイクロポアテープ(茶テープ)と呼ばれる茶色の傷痕テープについて紹介したいと思います。
できるだけ目立たないキズにする、、ためのコツっていくつもあるんですが、その中でも本人が頑張ってどうにかできる部分、についての説明です。
手術などで縫った後の傷は1週間くらいで縫い合わせた部分がくっつき、その後1年(〜数年)かけて完成していきます。その途中で傷口に力がかかると、傷をなおそうとする細胞(線維芽細胞)が多くなり、盛り上がった傷や幅が広いキズになってしまいます。体質や傷ができた部位によっては肥厚性瘢痕(盛り上がった傷)やケロイド(傷を超えてどんどん大きくなる傷痕)になります。
そこで、傷が安定するまでの期間、外力からの保護や創部にかかる力を分散する目的で、テープを貼るのが良いとされています。当院をはじめ、形成外科では一般的に「茶テープ貼付」と呼んでいます。
テープの貼り方や期間については、諸説あるのですが、注意点として
ということが大切です。
1.は外力を分散するために傷より小さければ十分に効果が出せない、ことが理由です。またテープは毎日きれいに交換して、、と思いたいところなのですが、これが一つよくある落とし穴。
テープにはノリがついているため、テープを交換するたびに表皮が引っ付いて剥がれてしまいます。ですので、毎日など頻回の交換は返って逆効果、なわけです。
また、かぶれにも要注意。軽い症状ならば、塗り薬をテープの上から塗ることでよくなることもありますが、やはり原因となっているテープを外すことがよくなるには最も早く確実です。かぶれによって痒みが出るために、自分で傷痕に刺激を加えてしまう、というのもよくない理由です。
茶テープにはいくつか種類がありますが、一般的なものですと一巻き数百円程度とお手頃価格です。キズを良くするために、正しいテープ活、頑張りましょう!
(加藤基)
<記事更新:2024年2月1日>