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リンパ浮腫

2021/04/01
【Drもとい連載コラム】14. 子どものむくみ
子どものむくみ
 
 
桜が咲き、春のうららかな陽気のなか、今年は入学式が開催される学校も増えたと聞いております。
まだまだ大変な状況ではありますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
本日は入学シーズンに因んで、子どものむくみについて、ご紹介したいと思います。
 
日本で最も多いリンパ浮腫は二次性リンパ浮腫、特にガンなどの治療を受けた後に起こるものとされています。一方で、原因がはっきりしないけれどもリンパの流れが悪くて、浮腫が起こる。これは原発性リンパ浮腫と呼ばれます。
 
ではどんな原因で原発性リンパ浮腫が起こるのでしょうか。「まあ、原因がはっきりしないと先に書いているのに、何を言っているの!?」と思わずに少しお付き合いください。
 
医学が進歩し、検査法や原因究明が進んできたために、わからないなりに、だんだんとわかるようになってきているんです。そのうち原発性リンパ浮腫のうち、検査でこうだった人は〇〇リンパ浮腫と分けられる、そういう過渡期にあるのだと思います。
 
一つはリンパ管造影検査(ICGリンパ管蛍光造影検査)が比較的やりやすくなってきたために、リンパ管の状態が評価しやすくなってきたことが挙げられます。これによって、むくんでいる原因としてリンパ管の形成に異常がないか、皮膚に貯留している範囲はいかほどか、などがわかりやすくなってきました。そのため、リンパ浮腫であるという診断が行いやすくなってきています。
 
また一つは遺伝子検査などで原因となる遺伝子が、以前よりもずいぶん手軽に検査できるようになったことがあります。なかには兄弟もむくんでいた、親御さん、おじいちゃんおばあちゃんもそう言えば、、なんて家族性のリンパ浮腫もありますが、少しずつ遺伝子でこういう方はリンパ浮腫になりやすい、なんていうことがわかるようになってきました。最近ですと、昨年11月にANGPT2 (angiopoetine 2)が原発性に関係ある という論文が発表されまして、注目を集めています。
 
小学生や中学生は、普段むくむことはあまりありません。ですが、なかには夕方浮腫がひどい、などで困っておられる方もいらっしゃいます。小児科の先生の間でも、まだ広く知られていませんので、なかには様子見しておきましょうとされて、本当は困っているのにこのまま様子をみていていいのかな?と思いつつも誰に相談したら良いかわからないというご家族もいらっしゃいます。
 
治療法は大人の場合と似ていて、圧迫療法と手術、その組み合わせが基本です。とはいえ、大人では説明したら自分でやってくれることの多い圧迫療法も、子どもでは一筋縄ではいかず、言葉とおり手がかかることもおおく、ケアには注意が必要です。様子をみていくなかで軽快していくこともなかにはありますが、じわりじわりと悪化することも珍しくありません。
 
これからを担う子どもたちに、明るい未来が待っていることを願うばかりです。
 
ではまた!
 
(加藤基)
 
 
参考文献
 
ANGPT2と原発性リンパ浮腫の関連(英語論文)
 
リンパ管外科の最近の進歩 小児リンパ管疾患とリンパ外科 医学出版(週刊医学のあゆみ 262巻13号 2017年9月)
(科を超えて広く一般的な医師向けに書かれた、医学専門雑誌です)
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