アヴェニューセルクリニックでは最先端の再生医療、足のむくみの日帰り治療を受けることができます

医師ブログ

TOP  >  医師ブログ  >   リンパ浮腫   >  【Drもとい連載コラム】10. ナイチンゲールとジョゼフ・リスター

リンパ浮腫

2020/04/15
【Drもとい連載コラム】10. ナイチンゲールとジョゼフ・リスター

細菌と衛生に関して実践的な医療が発展した19世紀について、これまで数回にわたって書いてきました。今日はそんな時代に忘れることのできないイギリスの偉人を2名ご紹介します。

 

一人目は、みなさんご存知のナイチンゲールです。白衣の天使、元祖看護師というイメージの方は多いと思いますが、彼女なんと2年間しか実際の看護実地業務をしていなかった(負傷兵の看護)、というと驚くかもしれません。では、どうして彼女は何をしたのか。。それは主に2つ、看護教育と衛生の統計と言われています。

彼女が34歳の頃、1854年から2年間にわたってクリミア戦争(フランス・イギリス他連合軍vs ロシア)に従軍しています。その時、兵舎があまりに不衛生なことに気づき、便所掃除をきっかけに信頼を得て、看護師の総責任者になりました。負傷兵たちの死亡原因を予防可能な疾病、負傷、その他に分けて「見える化」しました。(「鶏のとさか」と呼ばれる円グラフ、下図を参照)また非常にハードワーカーだったようで、夜回りを欠かさなかったようです。イメージですが、キレッキレの若い師長さんって感じですね。印象通り、立場関係なく、正しいと思うことは誰であってもまっすぐ意見したようです。

終戦後、聖トーマス病院(先日、ジョンソン英首相が入院していましたね)にナイチンゲール看護学校が設立され、運営にも関わっていたようです。現在もナイチンゲール博物館が同病院にあるとのこと。一度訪ねて見たいと思っています。

 

さて、衛星の重要性が指摘されたこの時代、もう一つ大きな発展がありました。これまたイギリス人ですが、彼の名はジョゼフ・リスターです。われわれ外科医にとっても非常に重要なことを実践した人で、手術時の消毒法を開発しました。当時はフェノールを用いて殺菌していたとのこと。現在、このフェノールは形成外科領域で馴染みの深い薬剤ですが、巻き爪の治療に用います。ちょっと強い薬で、皮膚に傷がつく(細胞障害性)ことを応用して治療に使っています。

さて、このリスター、当時は非常に治療が困難であった、開放骨折後の創部感染に対して10名中8名で化膿せずに治療を成功させ、有名な雑誌Lancetに報告しています。のちに動物の腸から、吸収糸を開発したと言われています。

 

今の医療に欠かせない、衛生面での大きな飛躍が見られた重要な時代です。この頃、日本は何をしていたか、、結構大変な時代です。黒船来航(1853年)、大政奉還(1867年)、まさに幕末の真っ只中です。緒方洪庵が適塾を開いたのが1838年と言われていますので、日本でも西欧の進んだ医学(蘭学)を取り入れようと必死だった時代と伺えます。調べていて意外でしたが、第10代の塾頭には福澤諭吉が名を連ねています。そういえば、、漫画やドラマで人気を博した「JIN-仁-」は現代の脳外科医がこの時代にタイムスリップした話でしたね。まさにいろいろな「医術」が大きく変わった時代でもあり、現代とのギャップが見所の一つでもあったように記憶しています。また見たくなってきました。。

 

 

ではまた!

(加藤基)

 

 

 

参考

フローレンス・ナイチンゲール wikipedia

 

 

もといブログ10とさかグラフ.jpg

鶏のとさかグラフ

 

 

ジョゼフ・リスター wikipedia

 

 

 

 

リンパ浮腫の最新記事

2020/07/09
吉松医師の解説動画公開「リンパ浮腫について」
2020/07/07
【Drもとい連載コラム】13. リンパ管の発生
2020/06/15
辛川領医師の論文が発表されました
2020/05/14
吉松医師がBUNCKE CLINICで客員教授として講演しました
2020/05/13
【Drもとい連載コラム】12. 脳のリンパ管
2020/05/07
LVA手術時の体位 吉松医師の教科書が発売されます
2020/04/29
吉松医師の論文が発表されました
2020/04/24
【Drもとい連載コラム】11. ウィリアム・ウィリス
2020/04/18
リンパ浮腫の皮膚症状、コロナとの違いは?
2020/04/17
リンパ浮腫と発熱
2020/04/15
【Drもとい連載コラム】10. ナイチンゲールとジョゼフ・リスター
2020/03/31
【Drもとい連載コラム】9. 低温滅菌
2020/03/30
【Drもとい連載コラム】8. 生き物とウイルス
2020/03/29
【Drもとい連載コラム】7.みりん
2020/03/25
【Drもとい連載コラム】6. 外科医の手袋〜愛の物語〜
2020/03/18
【Drもとい連載コラム】5. 外科医の手洗い
2020/03/11
【Drもとい連載コラム】4. PCR検査について
2020/02/27
【Drもとい連載コラム】3.「きずあとを きれいになおそう 茶テープつけて」
2020/01/25
アメリカマイクロサージャリー学会で発表しました
2019/10/31
リンパ浮腫の外科治療(リンパ管細静脈吻合術)
PAGETOP