アヴェニューセルクリニックでのリンパ浮腫診療を開始しました。
本年7月より当院でリンパ浮腫治療に携わることになりました、辛川領(からかわりょう)と申します。リンパ浮腫に関するトピックなどを発信していこうと思っていますので、よろしくお願いいたします。
先月、イタリアのボローニャで開催で行われた世界マイクロサージャリー学会(10th World Society of Reconstructive Microsurgery)に参加してきました。2年に1度の、形成再建外科やマイクロサージャリー(顕微鏡手術)をトピックとした世界最大の国際学会になります。
ボローニャには、ヨーロッパ最古の総合大学であるボローニャ大学があり、その中のアルキジンナージオ宮というところには世界初の公開人体解剖が行われた部屋があります。かつて自由な校風であったボローニャ大学は、教会の反対を押し切って人体解剖を行ったといわれています。現代医学につながる偉大な発見をしてきた偉人たちの像に囲まれた解剖室に身を置き、いち外科医として神聖な気持ちになりました。
私は学会で大腿内側のリンパ管の解剖に関して発表してきました。本学会において、リンパ浮腫のセッションは非常に盛り上がり、年々注目度が高くなっている印象でした。日本人も大活躍で、高周波超音波や光超音波などの新たなテクノロジーのリンパ浮腫治療への応用など、最先端の議論がなされました。
世界的にもリンパ浮腫で困っている方はとても多く、がんサバイバーのQOL向上を目指す時代なので、まだ分からないことも多いリンパ浮腫は今後もますます研究が盛んになる分野だと思います。
今後も最新の知見を常にアップデートしつつ、リンパ浮腫治療を行なっていこうと思います!