アヴェニューセルクリニックでは最先端の再生医療、足のむくみの日帰り治療を受けることができます

医師ブログ

TOP  >  医師ブログ  >   リンパ浮腫   >  リンパ管静脈吻合術(LVA)の効果に疑問がある方へ|下肢リンパ浮腫

リンパ浮腫

2017/08/19
リンパ管静脈吻合術(LVA)の効果に疑問がある方へ|下肢リンパ浮腫

下肢リンパ浮腫の患者さんで、同時に下肢静脈瘤を持っている方がいらっしゃいます。

静脈瘤は静脈が上から下に向かって逆流する病気ですので、それだけでもムクミの原因になります。

 

リンパ管静脈吻合術(LVA)に効果が見られないケース

この患者さんは、数十年もリンパ浮腫を患っており、リンパ浮腫治療で有名なA大学病院に入院して、リンパ管静脈吻合術(LVA)を受けられた患者さんです。術後1年近く経過しましたが、改善がなかったため当院を受診されました。

改めて調べてみると、下肢静脈の弁不全(逆流)がありました。皮膚表面には静脈瘤は浮き出ていませんが、逆流は重度のものでした。「隠れ静脈瘤」と呼ばれる状態です。前医では「隠れ静脈瘤」については特に指摘も治療もされず、LVAだけおこなったようです。

 

静脈逆流の対処から日帰りLVAへ

当院では、まず、静脈不全に対して血管内レーザー焼灼術という治療をおこない、静脈の逆流を止めました。これだけでムクミは改善しましたが、さらにLVAを3回追加しました。すべて日帰りで2〜3時間の手術です。この方はかなりのご高齢ですが、遠方であるにもかかわらず無理なく通院手術を終えています。また、夜間の圧迫療法も見直して、ご高齢でも無理なくはける夜用ストッキングを処方しました。一連の治療を開始して8カ月経過しましたが、初診時よりかなり細くなり、ご本人も喜ばれています。

 

lva.jpg

(左写真)治療前 (右写真)治療後

 

LVA本来の効果は診察と判断で大きく分かれます

LVAはリンパ管を静脈につなぐ手術ですが、静脈の逆流が強いとうまくいきません。LVAの効果が出なかった方、ご自分の静脈の状態がどうなのか、もう一度くわしく調べなおしたほうがよいかもしれません。アヴェニューセルクリニックでは初診時に静脈瘤のスクリーニングも行っていますので、思い当たる方はご相談ください。

 

<記事更新:2024年3月30日>

リンパ浮腫の最新記事

2024/02/01
辛川領医師が3D計測用ボディスーツを用いたリンパ浮腫四肢測定を実現
2023/10/16
【受賞情報】吉松英彦医師 アメリカマイクロ再建外科学会Godina Traveling Fellow受賞
2023/05/06
【受賞情報】辛川領医師 日本形成外科学会学術集会2023最優秀演題賞
2022/11/30
リンパ浮腫に運動は有効か?
2022/09/30
サウナはリンパ浮腫のリスクになるか?
2022/04/23
第65回日本形成外科学会総会・学術集会報告
2022/03/15
【Drもとい連載コラム】29. メス
2022/03/09
【Drもとい連載コラム】28. 無影灯
2022/03/02
【Drもとい連載コラム】27. 電気メス
2022/02/16
【Drもとい連載コラム】25. 冠動脈バイパス術・ファバローロ
2022/02/01
吉松英彦医師「再建外科のノーベル賞」米Godina Fellow受賞
2021/12/30
【Drもとい連載コラム】24. 縫合糸
2021/12/09
【Drもとい連載コラム】23. 治水工事
2021/11/15
【Drもとい連載コラム】22. シロリムス(ラパマイシン)の発見
2021/10/27
【Drもとい連載コラム】21. シロリムス薬事承認
2021/10/06
【Drもとい連載コラム】20. 学会のオンライン化
2021/09/10
【Drもとい連載コラム】19. 薬の名前
2021/09/02
辛川領医師の論文が発表されました
2021/08/31
【Drもとい連載コラム】18. 残されたものを最大限に生かせ
2021/07/14
【Drもとい連載コラム】17. 二刀流 〜オリンピックと医師免許〜