リンパ管静脈吻合が器械を使って自動的に行われる時代が来るかもしれません。
7月24日付で血管自動吻合器の論文が医学雑誌(Plos One)に掲載されました。
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0181520
わたしたちが、2012年ごろから経済産業省からの助成金を獲得して開発してきた微小血管用の自動血管吻合器(Microstent)で、とても小さい形状記憶合金(ニッケルチタン)ステントを1mmの血管のつなぎ目に留置して、周囲を糊付けして吻合することができます(下図)。これまでのように針と糸で縫合する必要がありません。針と糸を使う血管吻合にはトレーニングと才能が必要ですが、これならば今よりも簡単につなげると思います。
開発を担当した東京のタマチ工業は、現在もっと細いリンパ管用の吻合ステントの開発にとりかかっています。将来的にリンパ管静脈吻合の普及に役立つことを望んでいます。
(A 従来の縫合糸による吻合方法 B ステントを用いた新しい吻合方法 Plos Oneより転載)