
自動血管吻合器(Microstent)は、従来の針と糸による縫合ではなく、小型ステントと記憶合金によって微小血管を自動的に接続する技術です。東京のタマチ工業が開発し、1mm血管に対応。将来的には縫合不要でリンパ管静脈吻合術の普及に貢献すると期待されています。
わたしたちが、2012年ごろから経済産業省からの助成金を獲得して開発してきた微小血管用の自動血管吻合器(Microstent)で、とても小さい形状記憶合金(ニッケルチタン)ステントを1mmの血管のつなぎ目に留置して、周囲を糊付けして吻合することができます(下図)。これまでのように針と糸で縫合する必要がありません。針と糸を使う血管吻合にはトレーニングと才能が必要ですが、これならば今よりも簡単につなげることができると思います。
開発を担当した東京のタマチ工業は、現在もっと細いリンパ管用の吻合ステントの開発にとりかかっています。将来的にリンパ管静脈吻合の普及に役立つことを望んでいます。
(A 従来の縫合糸による吻合方法 B ステントを用いた新しい吻合方法 Plos Oneより転載)
<記事更新:2025年7月17日>
A1. 微小なステントを用いて血管を自動で接続する機器で、手縫いの縫合を不要にします。
A2. 直径約1mmの微小血管に対応できる設計です。
A3. 高度な縫合技術を要せず、手術時間の短縮や手技の簡便化が期待されます。