リンパ浮腫はさまざまなアプローチで治療を行う必要があります。理学療法、運動療法、手術療法、薬物療法、食事療法…。下表はリンパ浮腫の病期*、ガイドライン**上の推奨グレードと、当院が採用している治療方針の関係です。
たとえばStage II(四肢の挙上だけではほとんど組織の腫脹が改善しなくなり、圧痕がはっきりする)では、弾性着衣・弾性包帯、用手的リンパドレナージ、スキンケア、リンパ管静脈吻合という風に、治療が非常に多くなります。治療効果を最大限に期待するならば、全て行うのが良いでしょう。いろいろなアプローチを併用することを集学的治療とも言います。
当然のことながら、そこに関わる医療者の職種は多岐にわたりますので大変です。リンパ浮腫の治療が難しいのは、集学的治療のために職種をまたいでコミュニケーションを行うためです。当院は姉妹院を含めるとスタッフの数が50人に上ります。そこで、毎朝始業前に患者様ごとのブリーフィングをおこなって、情報を共有するようにしています。職種が違いますので、お互いの仕事内容を完全に理解した上で、打ち合わせに参加するように心がけています。
このような医療を「チーム医療」といいますが、「リンパ浮腫のチーム医療」のために、スタッフ皆が頑張ってくれています。
☆リンパ浮腫のさまざまな治療のなかで、当院は、「日帰りのリンパ管静脈吻合術」に特に力を入れています。詳しくは手術のページをご覧下さい。