下肢リンパ浮腫の原因として最も多いのは、婦人科腫瘍(子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌)の治療によるリンパ管閉塞です。2次性リンパ浮腫といって、生まれつき、もしくは、特に契機もなく発症する1次性リンパ浮腫と区別されています。2次性リンパ浮腫は治療を早めに始めたほうが、予後が良いことが分かっています。しかし、婦人科腫瘍治療後のリンパ浮腫に対して、日本ではまだまだ医療者側からの情報やケアの提供が足りない、もしくは遅い、と感じています。ある程度症状が進行してから、患者さんみずからが情報収集して医療機関に駆け込むことが多いのが実情です。「もう少し早く受診してもらえば…」と感じることも少なくありません。
そんな中、東京・御茶ノ水の杏雲堂病院では術後リンパ浮腫のケアに力を入れてゆくとのことです。その関連で次週、杏雲堂病院リハビリテーション科において、アヴェニューセルクリニックで行うリンパ管静脈吻合術についての講義をさせて頂くことになりました。杏雲堂病院は婦人科疾患の治療で、すでに大変有名ですが、リンパ浮腫のケアも加わってさらに行き届いたものになるはずです。このような取り組みが全国に広がることを願っています。
☆当院では長期入院できないリンパ浮腫の患者様のために、「日帰りのリンパ管静脈吻合術」に力を入れています。詳しくは手術のページをご覧下さい。