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下肢静脈瘤

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下肢静脈瘤外来(保険診療)

下肢静脈瘤はおもに加齢が原因となっておこる静脈の怒張(はれ)です。

わたしたちの足の皮下の浅いところには、伏在静脈という表在静脈が走っており、足の付け根で深部の静脈に合流しています。合流部に静脈弁があり、静脈血の逆流を防いでいます。下肢静脈瘤はこの静脈弁が壊れて、静脈血が足先に向かって逆流するために発症します。静脈の怒張だけでなく、だるさや、痛みなど様々な症状を呈します。
女性、中年以降、立ち仕事をしている人に多く、とくに立っているときに症状が悪化します。

静脈の怒張(はれ)

よく見られる症状

  • 静脈のこぶ
  • かゆい
  • むくむ
  • つる・痛い
  • クモの巣状血管
  • 皮膚が変色する
  • 静脈が蛇行する
  • 湿疹
  • だるい
よくみられる症状

診療の方針

① 診断

まず、足の静脈の逆流の有無、逆流防止弁が壊れていないかを検査します。立った状態または足を下ろした状態で、超音波検査により静脈を観察すると、静脈血の逆流は簡単に診断できます。また、穿通枝と呼ばれる血管の弁の逆流を介して下肢静脈瘤が生じている場合もあるので、足全体をくまなく検査します。同時に、深部静脈血栓という「エコノミークラス症候群」の原因になる深い部分の血栓が隠れていないか検査します。

超音波検査

静脈の逆流は「深部静脈」と「表在静脈」の合流部で「深部静脈」→「表在静脈」方向へ発生します。足の付け根で静脈弁を撮影すると、血液の流れが青色や赤色に表示され、逆流があると一目瞭然です。

② 治療法の決定

静脈の逆流の有無と、だるさや下肢静脈瘤の症状を総合的に判断して治療方法を決定します。それぞれ治療法を選びます。

  • 静脈のこぶ、蛇行
    血管内レーザー治療
    スタブアバルジョン(小切開法)
    高位結紮(こういけっさつ)
    ストリッピング
  • むくみ、だるさ、おもさ、いたみ、つる
    血管内レーザー治療
  • クモの巣状血管
    硬化療法
    レーザー照射
  • かゆみ、湿疹、潰瘍
    軟膏治療
    圧迫療法

下肢静脈瘤の治療

下肢静脈瘤の根源は静脈弁が壊れて生じる逆流ですから、血管内レーザー焼灼により逆流している静脈(おもに大腿部の表面の静脈)をつめてしまうことが治療の原則になります。
大腿の表面の静脈をつめることで、膝より下の症状も改善します。膝より下の静脈のこぶに対しては小切開からの切除(スタブアバルジョン)を併用すると効果的です。
スタブアバルジョン

血管内レーザー焼灼

逆流の生じている静脈を超音波検査により見つけます。
膝やふくらはぎの内側から細いレーザーカテーテルを挿入し、先端から放出されるレーザー光線によって静脈を焼いてつめます。所要時間は15分程度です。局所麻酔で処置が可能で、術中、術後を通して痛みはほとんどありません。
術後は圧迫用の弾性ストッキングを着用していただき、歩行して帰宅が可能です。翌日~3日後に創部をチェックするために来院して頂きます。

レーザーカテーテル

レーザーカテーテル:

先端から2重のリング状レーザーが放出され、血管をくまなく焼灼できる仕組みになっています。

スタブ・アバルジョン

膝やふくらはぎ周囲のうねうねと蛇行する静脈は、スタブ・アバルジョン(小切開法)による治療が適しています。
静脈のこぶを1-2㎜の小さい針穴(スタブ)から特殊な器具を使用して切除します。目立つコブ状の静脈がスッキリと除去でき、満足度の高い治療法です。血管内レーザー焼灼と同時に行うことも出来ます。

蛇行した静脈の頂上に針穴をあけ、特殊なフックで吊り上げて除去します。きずは自然に閉じてしまいます。そう聞くととても痛そうですが、実際はほとんど痛くありません。

硬化療法

青い蜘蛛の巣状に見える静脈は、ごく浅い皮下に存在します。
スタブ・アバルジョンでは切除が難しいため、下肢静脈瘤内にフォーム硬化剤とよばれる特殊な硬化剤(ポリドカスクレロールと空気を泡立てたもの)を注入し、血管をふさいでしまいます。外来で簡便に行うことができます。逆に、ある程度の太さの下肢静脈瘤では硬化剤が流されてしまうため適しません。