わたしたちの足の皮下の浅いところには、伏在静脈という表在静脈が走っており、足の付け根で深部の静脈に合流しています。合流部に静脈弁があり、静脈血の逆流を防いでいます。下肢静脈瘤はこの静脈弁が壊れて、静脈血が足先に向かって逆流するために発症します。静脈の怒張だけでなく、だるさや、痛みなど様々な症状を呈します。
女性、中年以降、立ち仕事をしている人に多く、とくに立っているときに症状が悪化します。
よく見られる症状
① 診断
まず、足の静脈の逆流の有無、逆流防止弁が壊れていないかを検査します。立った状態または足を下ろした状態で、超音波検査により静脈を観察すると、静脈血の逆流は簡単に診断できます。また、穿通枝と呼ばれる血管の弁の逆流を介して下肢静脈瘤が生じている場合もあるので、足全体をくまなく検査します。同時に、深部静脈血栓という「エコノミークラス症候群」の原因になる深い部分の血栓が隠れていないか検査します。
② 治療法の決定
静脈の逆流の有無と、だるさや下肢静脈瘤の症状を総合的に判断して治療方法を決定します。それぞれ治療法を選びます。
血管内レーザー焼灼
逆流の生じている静脈を超音波検査により見つけます。
膝やふくらはぎの内側から細いレーザーカテーテルを挿入し、先端から放出されるレーザー光線によって静脈を焼いてつめます。所要時間は15分程度です。局所麻酔で処置が可能で、術中、術後を通して痛みはほとんどありません。
術後は圧迫用の弾性ストッキングを着用していただき、歩行して帰宅が可能です。翌日~3日後に創部をチェックするために来院して頂きます。
レーザーカテーテル:
先端から2重のリング状レーザーが放出され、血管をくまなく焼灼できる仕組みになっています。スタブ・アバルジョン
膝やふくらはぎ周囲のうねうねと蛇行する静脈は、スタブ・アバルジョン(小切開法)による治療が適しています。
静脈のこぶを1-2㎜の小さい針穴(スタブ)から特殊な器具を使用して切除します。目立つコブ状の静脈がスッキリと除去でき、満足度の高い治療法です。血管内レーザー焼灼と同時に行うことも出来ます。
硬化療法